第1話 「ロータリがロリータに見える」


塾は四階にあって、
非常階段かエレベーターを使わないと着けない。
ドアが開くと中にすし詰め状態のグッチ裕三とモト冬樹が抱き合っていた。
「のら」はその行動に何の意も介せず、
何人かのグッチ裕三とモト冬樹を追い出してエレベーターに乗り込む。
四階のボタンを押すと
「有限会社、ロータリがロリータに見える〜」
という効果音が聴こえたのだ。
その効果音が聴こえるのと同時に、
モト冬樹が溶け出してジャーニーになっていった。
ハッチポッチステーションだ。
ダイヤさんもトランクもいないけれど、
これはハッチポッチステーションだ。
そうなってくると、
「のら」の役はエチケットじいさんらしかった。
でも塾に着いてしまったので、
後でね後で、
と欲求を我慢しきれない格下を相手にするかのごとく、
私は華麗に去ったのだ。

外のコンビニには石原慎太郎がバイトをしている。
彼はモト冬樹の愛弟子。
狙撃された。

                         (脚本:いくは)





























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